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【代表者コラムvol.157】『身体との対話』

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◇おかもと通信-『身体との対話』

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 先日、熊本地震の避難所で被災者の方々に心理面のサポートをされて
いるカウンセラーの方とお話する機会がありました。

 基本的にカウンセラーは会話を中心とした面談形式でカウンセリング
を行うことが多いですが、避難所ではその形式よりも「動作療法」が活
躍したということを聞きました。

 動作療法とは(説明できるほど詳しくないので簡略に説明しますと)、
文字通り動作に着目した心理療法です。
 たとえばガチガチに緊張するという言葉にもあるように、精神的な緊
張と同時に身体も硬くこわばるような身体的な緊張状態にあることが多
いです。
 動作療法では、身体の動作に着目して、身体の緊張に自ら気づき、緊
張をゆるめていくことで、精神的な緊張も解いていくという手法とのこ
と。

 実際に避難所で、眠れないというお年寄りは背中にガチガチに硬くな
っていたため、動作療法でほぐしていくと、よほど気持ちよくなったの
かそのままスースーと眠ってしまったそうです。

 動作から心をコントロールするというのはとても新鮮でした。普段頭
でばかり考えているなぁといろいろ考えさせられました。身体との対話
も大事ですね。  
  
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.156】『みんなの学校』

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◇おかもと通信-『みんなの学校』

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 先日、「みんなの学校」という映画を観てきました。

 大阪にある大空小学校という普通の公立小学校が舞台で、特別支援教育の対象
となる発達障害がある子も、自分の気持ちをうまくコントロールできない子も、
みんな同じ教室で学ぶ姿をドキュメンタリーとして追った映画でした。

 この学校の特徴は、児童と教職員だけでなく、保護者や地域の人も一緒になっ
て、誰もが通い続けることができる学校作りに取り組んでいるところです。

 お互いの「違い」を理解することに力を使い、どうしたら学校生活を過ごしや
すいかを児童たちが中心にサポートしあい、教職員はそれを応援するという姿が
印象的でした。ますます多様化が進む社会で、小学校で「違い」を理解できる力
を養うことは非常に意味があると感じました。

 地域の特色や支援体制の違いもあり、大空小学校の取り組みがそのままモデル
ケースとすることは難しいと思いますが、普通の公立学校でもやり方を考えれば
色んな取り組みができるということも示しています。

 地域全体でどう学校に関わっていくのかだけでなく、そもそも地域って何なの
か、いろいろと考えさせられる映画でした。ご興味ある方は下記のホームページ
を参照ください。 

 ※映画「みんなの学校」公式ホームページ→http://minna-movie.com/
 
                   
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.155】『自然な生き方』

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◇おかもと通信-『自然な生き方』

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 先日、夏休みを利用して旅行に行ってきました。今回は人里離れた、
携帯もつながらないような自然に囲まれた宿に泊まりました。

 自然のおいしい空気と良い景色に癒されるのも束の間、部屋の周り
に集まった、より取り見取りの虫たちに歓迎され、奥さんは騒ぎまく
り(笑)。お風呂もシャワーの水圧が弱かったり、何気にネットで情報
を見たいと思っても携帯はつながらない…ちょっとずつ気持ちも下が
り気味になりました。
  
 なんでもっと整備しておかないんだとイライラする気持ちも出てき
たところで、それを求めるのもお門違い…。とりあえずこの状況を受
け入れようと気持ちを切り替えることにしました。

 そうすると、虫の声や風の涼しさ、夜空のきれいさに目が向いて、
いつの間にか不便さも「それはそれで」と受け入れていました。

 今のこの状況を受け入れて、今あるもので何ができるかを考えるこ
とがまさに「自然」なんだなぁと実感しました。 

 普段の人間関係や仕事、生活でも、コントロールできないものまで
コントロールしようとしてしまうことで不自然さを生み出してしまい、
勝手に疲れ果ててしまうのかもしれません。

 もう少し自然に生きていきたいと感じた夏休みでした。

                   
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.154】『事実情報を正しく活用する』

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◇おかもと通信-『事実情報を正しく活用する』

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 新卒採用で、高卒と大卒だとどちらが就職率が高いと思いますか?
…と高校生に質問すると、ほとんどの生徒が大卒と回答します。

 厚労省によると、平成27年度卒業者で高卒が99.1%、大卒で97.3%
と高卒のほうが上回っており、平成22年以降は高卒がずっと上回って
います。

 一方、新卒入社から3年以内の離職率は、以前から大卒3割・高卒5割
という数字が常識のように言われてきました。実際は、大卒の3割はほ
ぼ変わりません(厚労省の最新の調査結果では32.3%)。

 高卒は平成20年に37.6%を記録して以降、4年連続で30%代後半をキー
プ(最新の調査結果では40.0%)、以前より高卒と大卒の離職率は差が
なくなってきています。

 実際の数字を伝えると、生徒が驚くのはもちろん、親御さんや先生方
も同じくらい(いやそれ以上?)驚かれます。

 もちろん、この数字から高卒での就職がおすすめですよというわけで
はありません。ただ、学校の現場にお邪魔するなかで、就職するなら大
学等に進学しなければまともな就職ができないという「思い込み」のよ
うなものが根強くあります。

 正しい事実情報を理解するところから、自分が何のために進学する意
味を真剣に向き合い始めます。大卒の離職率がなかなか変わらないのは、
何気に大学に進学してしまう傾向も影響しているのかもしれません。

 事実を正しく理解する機会を持つことが、物事を判断する際には欠か
せません。自分のことを自分で選ぶ力を身につけるためにも、事実をつ
かむ習慣は身につけておきたいですね。

                 
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.153】『“ほめる”とは』

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◇おかもと通信-『“ほめる”とは』

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 先日、「ほめ方・ほめられ方」を考えるワークショップに参加しました。
 
 実はほめ方・ほめられ方、どちらも自信がありませんでした。

 仕事柄、若者を接するなかで、何となくほめることをしていたのですが、
ほめているのにうまく伝わらない時もあり、年上の人をほめたいとき「上
から目線」と思われないかと考えると声かけができなかったり…。
 自分がほめられるときも素直に受け取れなかったり…

 そんな私が今回のワークショップで知りたかったのは、そもそも“ほめる”
とはどういうことなのかということでしたが、冒頭にズバリ下記のとおり解説
いただきました。

『“ほめる”とは【人】【モノ】【出来事】の【価値】を発見して伝える事』

 相手が認めてほしいと思っている事柄の価値、相手が気づいていない価値を
見つけることと考えれば、ほめることが躊躇なくできるし、ほめられるときも
気づいてないことを言ってもらえることを新たな発見だと捉えられそうです。

 ほめ方・ほめられ方、自然に使いこなせるようになりたいものです。
  
                 
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平

【代表者コラムvol.152】『ベテランの「学ぶ力」』

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◇おかもと通信-『ベテランの「学ぶ力」』

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 このところ、いくつかの組織にお邪魔して、キャリア面談を担当す
る機会をいただいています。

 多かれ少なかれ、どんな組織でも何らかの課題はありますが、それ
らの課題に取り組む力強さのある組織にはある共通点がありました。

 それは、ベテラン社員の方々の「学ぶ力」です。勤続年数も長く、
技術も十分身につけている方々が、もっとうまくなりたい、もっとよ
くしたいと思って毎日の仕事に取り組んでいました。

 『本当に満足のいく仕事は年に1回あるかどうか。あとはまだまだ
力不足。「これで終わり」という発想がない』と話される方もいまし
た。

 同時にこういうベテランの方は、次世代の人材育成にも意識が高い
傾向にあります。身につけてきたことを、できるだけ伝えていきたい
がどうしたらいいのかと逆に質問されることもしばしばでした。

 人材育成のポイントは「みずから学んでいく力」にあると思います。
 ではどうしたら身についていくのか。ベテランやトップ自身が学ぶ
姿を見せていくことが、実は次世代の育成につながっているのかもし
れません。

 永遠のテーマといえる人材育成の課題。答えは実は身近にあるのか
もしれません。
 
               
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.151】『「訳アリ」こそ自然そのもの』

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◇おかもと通信-『「訳アリ」こそ自然そのもの』

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 あらためまして熊本地震で被災された皆さまに心よりお見舞い申
し上げます。

 まだまだ余震の続く中ではありましたが、地震後のゴールデンウィ
ークに大分久住まで足を運んでみました。

 久住は特に問題ないと聞いていましたが、事前に通行可能な道を調
べて出発しました。実際行ってみると、ところどころ片側通行の箇所
もありましたが、車も人も少なくスムーズに行けました。

 久住にはほぼ毎年のようにドライブに出かけてます。今回の地震に
限らず、久住周辺は大雪や水害などの影響で、毎年のようにどこかが
工事中や通行止めだったり、宿泊施設がダメージを受けたり、必ずど
こか「訳アリ」な箇所があります。

 その訳アリな不完全さことが「自然」なんだということに気づかさ
れます。

 人間の健康や人生もそうですが、完全に良いコンディションのとき
はほとんどありません。どこか訳有りだけど、それらの「訳」とどう
にか折り合いをつけながら生きていく、これが自然な生き方だと最近
思っています。

とにかく緑も花もいつも通り素晴らしい久住でした。地震の影響で
観光地も人がまばらです。無理をしないことは大前提として、できる
だけ足を運んで盛り上げたいですね。
 
               
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.150】『「良いこと」を辞めてもいい?』

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◇おかもと通信-『「良いこと」を辞めてもいい?』

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 新年度に入りました。これまでと環境が変わった方や新しいチャ
レンジに取り組む方も多いのではないでしょうか。

 心機一転何かに取り組もうとする時、これまでより増やす・加え
るするという発想がまずは思い浮かびます。

 もちろん色んなことを取り組んでみること自体は大事なことです
が、取り組みすぎてわけがわからなくなったり、疲れ果ててしまっ
たという話も聞きます。

 ほとんどの場合、取り組まれている事はそれぞれ良いものばかり
だったりしますので、なぜ良いことに取り組んでいるのにうまくい
かないのか…と悩んだり自らを責めてしまうというケースも出てき
ます。

 何か新たに取り組む場合は、同時にこれまでの良い取り組みもあ
えて見直したり、しないと決めたり、検討することが必要なのかも
しれません。

 見直してみることで、今新たな取り組みをしなくてよかったり、
ちょっとだけ改善すればいいことだったり、もう役割を終えたから
しなくていいことだ、等々気づきやすくなる気がします

 「良いこと」ほどブラッシュアップが必要ですね。  
  
             
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.149】『仕事と生活は切り分けるべき?』

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◇おかもと通信-『仕事と生活は切り分けるべき?』

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 就職支援の相談に加えて、職場にお邪魔して、お勤めの方々向けに
キャリアコンサルティングを担当する機会が増えました。

 いくつかの企業に伺って、何となくですがうまくいっている人(組
織)の傾向が分かってきました。それは、仕事と生活のバランス
(ワーク・ライフ・バランス)が良いということです。

 一般的にワーク・ライフ・バランスというと、仕事の負担を減らす
という視点や、、私生活と仕事を切り分ける考え方が前提のケースが
多いように感じます。

 しかし、実は仕事と生活の垣根をあえて低くすることで働きやすさ
につながり、うまくいくポイントのように感じました。

 例えば、子育て中の方であれば、子どもの行事があるときなど用事
があれば、そのときだけ用事を済ませるために外出できるという事業
所がありました。その事業所は大企業ではなく、社員数十数名という
少規模ですが、お互いがカバーし合う風土が根付いていました。

 そもそも仕事も日々の生活の一部なので、切り分けるという発想自
体が無理があるのかもしれません。今後の少子高齢化の社会ではさら
に切り分けしにくい状況になると思われます。

 「どう働くか」も含めた「どう生きるか」を従業員と一緒に考えて
いく姿勢がますます雇用側にも求められるような気がします。

             
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.148】『卒業のパンものがたり』

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◇おかもと通信-『卒業のパンものがたり』

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 彼と出会ったのは2年前。

 高校中退からひきこもりを経て、短時間のパン作りのバイトを始め
て5年が経った頃でした。

 転職して自立した生活を出来るようにしたいけど自信がないと相談
に来てくれました。

 そんな彼がこのたび正社員を前提としたフルタイムの仕事に就職が
決定しました。

 「時間はかかったけど、自分なりの生き方、やり方でいいと思える
 ようになったのが自信になった」と話してくれました。

 履歴書や面接の話はほとんどせず、バイト先での出来事や家族、
彼女の話、大好きなサッカーの話、とても書けないバカ話をたくさん
聞きました。

 実はそれらの話の中に彼の力強さや良さがにじみ出てました。毎月
面談を重ねるたびに、彼の話から気づいた「強み」をフィードバック
し続けました。

 そうこうしてちょうど2年が経過した先日の面談日。彼は自分で仕事
を見つけて、応募して、内定して、就職の報告に来てくれました。

 その目は既に前を見ていました。毎月会って話をしていたのが終わっ
てしまうのはなんだか寂しい気持ちもします。実は私が彼から勇気を
もらっていたのかもしれません。

 彼が最後にくれた卒業のパン、じっくり味わいながらいただきました。
その勇気と強さ、ちょっとはあやかることができたかな。

             
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.147】『人それぞれの「当たり前」』

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◇おかもと通信~人それぞれの「当たり前」

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 先日、企業にお邪魔して、社員の方々のキャリア面談を実施する機
会をいただきました。

 新入社員(新卒・中途)、新卒から入社した中堅社員、ベテランの
パート社員など様々な立場の方々のお話を伺いました。各人で思いは
様々ですが、個人と組織との間にある課題には共通しているものがあ
りました。それはお互いの「当たり前」の違いです。

 ベテランのパート社員の考える当たり前、中堅社員の考える当たり
前、新入社員の考える当たり前…

 これが当たり前だろうと思っている事が、実はお互いの当たり前で
はないことを理解していないと、コミュニケーションで溝が出来てし
まったり、方向性がバラバラでチームワークが発揮できなったり、新
入社員が定着しなかったりといった問題に結果的につながるような気
がします。

 当たり前を確認し合える関係を作っていきたいですね。

             
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.146】『「とりあえず」と「事前準備」』

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◇おかもと通信-『「とりあえず」と「事前準備」』

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 仕事柄、日ごろ働くことに悩む若者と接することが多いのですが、
どんなところを悩んでいるのか尋ねると、「よくわからない…」
「なんとなく…」「漠然と…」といった言葉が多く聞かれます。

 これを聞いて、「甘えるな!!」と叱咤したくなった方々も多い
と思います。私も思わずのどから出そうになりますが、言ったとこ
ろで事態が好転することは稀です。

 ちょっと冷静になって考えてみますと、彼らにとって働くことが
抽象的なだけなのでしょう。では働くことを具体的で身近なものに
するには、まずやってみることが最も手っ取り早い方法なのですが、
彼らにとっては「とりあえず」が難しいようです。

 「とりあえず」が出来るようになるには、「事前準備」が必要だ
と感じています。彼らの事前準備が整うために、私が今取り組んで
いるのは、「働くうえでの色んなルールについて知ろう」というも
です。

・時給や働く時間はどのように決まっているのか?
・働くうえで、守ってくれる保険にはどんな種類があるか?

など、知ってて当たり前と思われる方も多いと思いますが、実際の
ところ、特に保険や年金などについてはほとんど分からないまま成
人を迎えている若者が多いです。セミナーを行うと皆熱心にメモを
とっています。

 社会保険料は会社が半分負担していることや厚生年金の仕組みを
知って、「働くということは怖いと思っていたけど、意外に守られ
ているんだなと感じた」という感想も聞かれました。
 
 働くうえでのルールを学んでいくと、今の社会がどのような形で
成り立っているのかがイメージしやすくなります。

 根本的なことを丁寧に紐解くことは一見面倒なことですけど、一
度理解すると、自分の軸となり、心強い味方となります。

 「なぜ働かなければならないのか」という問いに、働き甲斐のこ
とを伝える方法もありますが、社会構造を理解した上で働く意義を
考えるというアプローチもあっていいですよね。

             
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.145】『「問題」にしない接し方』

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◇おかもと通信-『「問題」にしない接し方』

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 最近、認知症に関する特集が色んなメディアで組まれているのを
よく目にします。

 日頃は若年者と関わることが多いので、認知症はあまり関係ない
かと思いきや、認知症の方々との関わり方を変えるという内容が若
年者との接し方にも通じるものがあり参考になりました。

 認知症というと、考える力がなくなり、意思疎通も難しくなると
いうイメージを持っていました。したがって認知症の方にはこちら
の話す言葉も理解できないものだと決めつけて考えていました。

 しかし実は、周囲の人たちの接し方や言葉を敏感にキャッチして
いることが研究結果で明らかになったとのこと。

 特に周囲の接し方のなかで、「同じことを何回言わせるのか」
「さっきも同じことしていたよ」「こんなことも分からないの」など
という言葉を投げかけられることで傷ついているとのこと。

 「認知症の人は物忘れの多い自分を情けなく感じて自己否定している
傾向がある。それを指摘されると、さらに落ち込んだり、どうしよう
もなく怒りの感情が沸いて暴力につながる」などの問題行動との関係
も紹介されていました。

 ではどう接したらいいのか。まずは周囲の人は本人の物忘れを否定
せず、叱らず、そのことを「問題」にしないようにする。物忘れをす
る自体は本人もどうすることもできないことであり、解決しようのな
いことを問題にすること自体がよくないのだといいます。

 年代にかかわらず、その人を尊重する接し方は共通するものであり、
多様性が進む今後の世の中ではますます注目されるのではないでしょ
うか。

             
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【代表者コラムvol.144】『問いかけから見えてくるもの』

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◇おかもと通信-『問いかけから見えてくるもの』

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 先日、人生すごろく「金の糸」を使ったワークショップのファシリ
テーターを担当させていただきました。

 この人生すごろく「金の糸」では、小学生~大学生時代の自分を振
り返りながら、今の自分につながる自分らしさ(=金の糸)を見つけ
ていきます。

 このすごろくのポイントは「問いかけ」。止まったマスに書かれた
質問に答えていくたびに、徐々に当時の感覚を思い出したり、他の人
が答えている内容を聞くなかに自分の感覚を発見したり、考えが深ま
っていきます。

 今回は複数のグループに分かれてワークを行いました。グループに
よって話の深まりに差が出ていました。その差はどこで生まれている
か観察すると、話が深まっているグループは、マス上の問いかけだけ
ではなく、もう一歩踏み込んで周囲から質問が投げかけられていまし
た。

 質問されればされるほど、それに答えるために考えを深めて、それ
を周りの参加者に分かりやすく伝えようとして整理していく。その過
程でなんとなく自分らしさのつながりが見えてくる、その様子を間近
で見ることができ、私も良い時間を過ごさせてもらいました。

 自分らしさを自分の「軸」のようなものと例えられることもありま
すが、軸というと強くて太くてゆるがないもののような印象を持って
しまいます。

 決してゆるがない軸ではないが、色んな事があってくねくね曲がっ
ていいけどつながっている。私は「糸」と表現しているところにとて
も人間らしさを感じて、このワークが気に入っています。

 また実施する機会があればインフォメーションでご案内します。
 ご興味ある方はぜひ参加ください! 

             
(アール・キャリア・スタジオ代表 岡本 耕平)

【本のご紹介 vo.131】『採用学』

『採用学』
 服部 泰宏(著)/新潮選書

 2016年卒の採用スケジュール変更から始まり、2017年卒のスケジュールも再変
更と、新卒採用を取り巻く環境は揺れ動いています。

 それに伴い、各企業の採用活動にも戸惑いや混乱もある一方で、この機に自社
の採用を見直し、独自の工夫で採用活動を展開するなど新たな動きも見られます。

 日本で行われている採用活動の大半は、経験と勘に頼りがちで、効果的な見直
しができていないといいます。では自社の採用についてどう見直し、自社に最適
の採用活動を展開できるのでしょうか。

 本書では、経験や勘に頼らず、「ロジック」と「エビデンス(データに基づく
根拠)」をもとに自社の採用を見直し、再構築する考え方を紹介されています。

 例として採用を検討する際にどの能力を重視するのか、採用基準をどう設定す
るのかという場合を見てみます。8割以上の企業では口頭でのコミュニケーショ
ン能力を重視するという調査結果が出ています。しかし心理学のロジックから見
ると、コミュニケーション能力は育成の機会があれば比較的向上しやすい能力だ
といいます。

 採用基準として考えると、入社後に育成可能な能力よりも、自社に必要であり
かつ育成の機会がない・育成自体が難しい能力に着目するほうがミスマッチを減
らすことにつながります。

 また、採用面接時のデータ(エントリーシートや適性検査、面接評価)と研修
など育成の場面の効果測定データ、人事評価のデータ、社員満足度調査など、バ
ラバラに扱われているデータを丁寧につないで見ることで、自社に最適な人材の
エビデンスを得られるといいます。

 応募から育成~定着までをシステムで考え、採用の設計しオペレーションまで
を「デザイン」する力が、自社の採用力を決定づけるとのこと。限られた人材を
活かした経営が求められるこれからの時代では、採用をデザインする力はますま
す必要となりそうです。

【本のご紹介 vo.130】『組織のなかで人を育てる-企業内人材育成とキャリア形成の方法』

『組織のなかで人を育てる-企業内人材育成とキャリア形成の方法』
 佐藤 厚(著)/有斐閣

 人材育成について考えるときには、組織の立場からどう育成の仕組みをつくる
か、どう働きかけるのかという「育てる」視点と、個人がいかに自律的にキャリ
アを形成していくべきなのかという「育つ」視点の2つの考え方があります。

 この2つの視点は、別々に考えられる傾向がありますが、これからの人材育成
において、これらの視点を同時に意識して人材育成を考えること、つまり個人と
組織との協調的な関係づくりの必要性を本書では述べられています。

 個人と組織との協調的な関係づくりを行うためには、個人が考える「なりたい
人材」と、組織が考える「なってほしい人材」を丁寧にすり合わせていくことが
重要だといいます。

 そのすり合わせの過程で最も重要視されているのが、日々の仕事を通じての訓
練(OJT)です。日々のOJTを通じて、訓練する側(組織)の、部下育成を
進めるためのPDCAサイクルと、学習する側(個人)のPDCAサイクルをう
まくかみ合わせていくことが、お互いの協調的な関係づくりにつながるのだと論
じられています。

 しかし、OJTなど教育訓練をしたくても機会の制約の多い中小企業ではどの
ように協調的な関係づくりを行えばいいのか。そのカギの一つとして、職場で求
められる仕事能力の明確化を進めることを挙げられています。
 
 能力の見える化が進むことで、現状の技能が客観的に評価でき、今後どのよう
な技能を身に付ければいいかが明らかになる⇒どんな教育訓練が必要かが明確に
なる⇒訓練実行後の効果評価もやりやすい、という好循環が生まれるとのこと。

 実務だけでなく、国内外の人材育成に関する研究調査の結果や、マネージャー
の育成過程のインタビュー調査なども紹介されており、読み進めていくにつれて
人材育成の理論と実践をバランスよく理解できます。

 組織内の人材育成についてじっくり考えることができる一冊です。

【本のご紹介 vo.129】『なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』

『なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』
 加藤 洋平(著)/日本能率協会マネジメントセンター

 ・なぜ人と組織はなかなか変われないのでしょうか
 ・どうしたら人と組織は変わっていくのでしょうか
 ・人はどのように成長し、どうしたらより成長できるのでしょうか

 上記のような課題を解決するカギとして、本書では発達心理学の一分野である
「成人発達理論」が紹介されています。

 成人発達理論を理解するうえでわかりやすく「レンズ」に例えて説明されてい
ます。
・人はそれぞれ固有のレンズを通して物事を「意味づけ」している
・そのレンズには見え方の「レベル」があり、そのレベルはその人の意識の発達
 段階によって違う
・自分の持つレンズ以上の意識段階は理解できない
 
 部下とのコミュニケーションを良好にしたいという場合、その部下がどの段階
のレンズで物事を見ているのかを理解していないと、よかれと思ったアドバイス
が部下には理解できず、一方的なコミュニケーションになってしまい関係が悪化
してしまう恐れもあります。

 本書では、ある会社の課長が、成人発達理論を取り入れた人財育成コンサルタ
ントが偶然出会うところから物語がスタートします。セッションを通じて、課長
が成人発達理論を自組織に取り入れ、部下の成長が課長自身を成長させていく過
程が描かれています。

「知識やスキル向上だけではなく人としての成長が必要だ」
「そのためには個々に合ったコミュニケーションを取ることが育成には必要だ」
 頭では分かってはいても、実際に取り組むことは容易なことではありません。

 人はどのように成長・発達していくのか。まずはその基本となる発達理論を理
解することは、人や組織の抱える様々な課題を乗り越えていくうえでの一つの支
えとなるような気がしました。

【本のご紹介 vo.128】『会社の中はジレンマだらけ』

『会社の中はジレンマだらけ』
 本間 浩輔 中原 淳(著)/光文社新書

 「絶対に結果を出さなくてはならないハードな案件。
  自分自身でこなす?それとも思い切って部下に任せる?」

 「チーム内にくすぶり始めた時短社員への不満。
  ほかのメンバーを説得する?それとも時短社員に働き方を変えてもらう?」

 「仕事をしない“年上の部下”がいます。
  言いたいことを伝える?それともやり過ごす?」…etc

 どちらを選択しても一長一短があるような事でも、どちらにするか決断しなけ
ればならないという“ジレンマ”が企業・組織では日々生じています。

 では、どのように決断していけばいいのか。本書ではジレンマに直面したとき
の対処の流れ(ジレンマ・マネージング・モデル)が紹介されています。

 いきなり動きだすのではなく、まずは①ジレンマを観察する②ジレンマを理解
する③決断する④リフレクションする(振り返る)という対処のサイクルを回し
ていくことでマネジャーとしての成長につながるといいます。

 本書では、5つの章にわけてジレンマの事例を取り上げ、企業組織の実務家の
視点と人材開発の研究者の視点でどう考えるか、対談形式で議論が進んでいきま
す。その過程を読み進めるなかで、それぞれのジレンマについてどう決断してい
くか読み手自身が紙上の決断経験を繰り返し、コツをつかんでいく流れとなって
います。

 特に印象的だったのは「フィードバック」について、ロケット打ち上げの例を
取り上げられたところです。実はロケットはまっすぐ飛んでいるのではなく、様
々な理由でジグザグに飛んでいるが、その傾きを検知してエンジンの吹き出し口
を調整しているのがフィードバック機構だといいます。とても分かりやすくフィ
ードバックの役割を再認識させられました。

 ジレンマに立ち向かう勇気が持てる、心強い味方になってくれそうな一冊です。 

【本のご紹介 vo.127】『女性活躍の教科書 明日からできる「輝く会社の人材戦略」』

『女性活躍の教科書 明日からできる「輝く会社の人材戦略」』
 麓 幸子、日経BPヒット総合研究所(編)/日経BP社

 男女雇用機会均等法が施行されて30年となった今年。4月から「女性活躍推進
法」も施行となり、女性の活躍に真剣に取り組むことを企業も求められるよう
になりました。

 法律が整備される一方で、「女性の活躍」とはどういうことなのか、なぜ推進
するのか、そもそもの認識が曖昧なまま施策を進めてしまい、効果が出なかった
り、組織での新たな問題へと発展してしまうというケースも出てきているようで
す。
 
 女性の活躍の推進は、「女性のため」にするのではなく、企業価値向上のため
に、企業の持続的成長のためにあることを理解すべきだと本書では述べられてい
ます。

 本書では、まず女性活躍推進法についての解説と、先進企業の事例から見えて
きた女性活躍推進のポイントの紹介から始まり、20社の女性活躍推進を進める
企業の具体的な人事施策の紹介、女性活躍がどのように企業価値向上につながる
のかという理論とデータの提示と続きます。

 女性の活躍といえば両立支援や職域限定といった、女性のために負担を減らす
ことに考えがいきがちですが、そこだけ手厚くすることについては男性側の「優
しさの勘違い」であると指摘しています。

 「女性とはこういうもの」という無意識のバイアスが働いて、その結果として
女性のキャリアを停滞させたり、他の社員へ負担を強いて新たな組織の問題に生
むことにつながるケースもあるとのこと。

 7割以上の企業で、育児期の女性だけでなく、介護や様々な事情で働く上での
時間的な制約が生じている社員が増えていると回答している調査結果も報告され
ています。女性活躍の推進を考えることをきっかけに、男性も含めたすべての社
員の働き方を改革していくことが、結果的に女性の活躍につながると言えます。

 女性活躍のみならず、これからの働き方や組織の在り方を見直すきっかけにな
る一冊です。

【本のご紹介 vo.126】『あなたの職場は、なぜ問題ばかり起きるのか?』

『あなたの職場は、なぜ問題ばかり起きるのか?』
 別所 栄吾(著)/日本経済新聞出版社

 4月といえば新年度。新入社員を受け入れたり、人事異動等で職場内の人の
動きも活発になる時期です。
 
 職場内の人や組織が変わると、新たな職場の問題が発生することもあります。
 また、そもそも人や組織に動きがなくても、問題が次々に起こって「またか」
とうんざりしてしまうというような職場もあるかもしれません。

 職場での問題の多くは、技術的なことより、職場での人間関係や仕事の進め方
などに起因するといいます。また、職場の問題の原因は多様であり、解決策も1
つではないため、「全体的」に対応することが大切とのこと。

 本書では、職場の問題点について全体的に対応するために、何が問題なのか気
づくという手順から問題解決を進めていくことを提案されています。
 
 まずは具体的な問題の事例を挙げ、なぜ問題が起こるのかメカニズムを理解し
ます。問題が特定できたら、その問題の種類(本書では「見える問題」「探す問
題」「創る問題」の3つに分類)に応じた解決策に結び付けていきます。

 次は解決策を行動に移す段階ですが、実際には解決策が出ても、行動に移すこ
とができなければ解決に進みません。そこで、解決への行動を妨げる要因の起こ
るメカニズムも理解したうえで、行動を定着継続、そして発展に向かうための考
え方も紹介されています。

 いかに良い理論でも、人は無理だと判断したことは取り入れない、という意味
で、「理論は習慣に負ける」という言葉が本書中で何度か登場します。

 うまくいったこともいかなかったことも、そのプロセスを振り返り、メカニズ
ムを全体的に理解しようとし続けることが常に習慣を見直し、よりよい習慣につ
ながるのかもしれません。  
    
 年度初めに職場を見直したり、これからの職場を考えるきっかけになりそうな
一冊です。