【本のご紹介 vo.117】『異質な力を引き出す 対立のススメ 』

『異質な力を引き出す 対立のススメ
  身近な事例で学ぶコンフリクト・マネジメント入門』
 日本能率協会マネジメントセンター(編)

 グローバル化や多様化が進むにつれ、異なる意見や価値観を持つ
相手と出会う機会が今後増えてくる(すでに増えている?)といえ
ます。

 それと同時に増えるのが「対立」。日本人は対立を避ける傾向に
あると言われてきましたが、実は日常的に存在する対立があること
自体をそもそも見てみぬふりをして、認めないのだといいます。

 本書では、対立=ネガティブなことではなく、「相手と分かり合
い、物事をよい方向へ導くための絶好の機会」と捉えて、対立と向
き合うことを提案しています。

 対立にはよい対立であるタスク・コンフリクト(異なる複数の意
見・視点があることから発生する理性的な対立)と、悪い対立であ
るリレーション・コンフリクト(人間関係の好き嫌いや、立場の違
いからくる感情的な対立)の二つがあります。問題となるのは、コ
ンフリクトをこじらせて対立を悪化してしまうことだといいます。

 つまり、もともとよりよいタスク(物事)にするための対立が、
あなたが悪いといった「ヒト」を否定するものに変質してしまうこ
とが対立を悪いものにしてしまうとのこと。

 本書では対立を生み出す三つの要素に着目し、それぞれの対立の
解決プロセスの「型」を示しています。その型をもとに、身近な事
例(たとえは、門限をめぐる親子の対立や、家事の分担をめぐる夫
婦の対立など)を取り上げて、解決への道筋を解説されています。

 人と人が関わるところには目に見えるもの・見えないものも含め、
必ず何らかの対立があるものです。その前提に立って、対立をうま
くコントロールしつつ、組織のパフォーマンスを高める「コンフリ
クト・マネジメント」。今後ますます注目されるような気がします。