【本のご紹介 vo.120】『システム思考をはじめてみよう』

「システム思考をはじめてみよう」
ドネラ・H・メドウズ(著) 枝廣 淳子(訳)/英治出版

 “問題は、つながっている。解決策もつながっている。”

 システム思考とは、「つながり思考」とも紹介されていますが、ものの背後
にある構造を、ありのままに見ることで、物事のつながりをたどって全体像や
構造を見る考え方のことです。

 従来の経験や考え方が通用しない、新しい変化が次々と起こる時代を生き抜
くために最も大事なことは、「従来の経験や考え方から自由になる」こと。

 「従来の経験や考え方から自由になる」こととは、「自分(たち)の思い込
みに気づく」ということ。経験や実績を積めば積むほど思い込みに気づくのは
難しくなるのかもしれません。

 では思い込みに気づくためにどうしたらいいか、カギとなるのがシステム思
考だといいます。

 システム思考を活用して、今まで気づかなかった、意識していなかったつな
がりを明示的に表すことで、問題の全体像が把握でき、効果的な働きかけを考
えることができる。さらに働きかけがどう影響するかも予測して対応策を考え
ることができるとのこと。

 本書では、著者が残した様々な組織や産業、環境問題などの事例を盛り込ん
だエッセイを通じて、システム思考的なものの見方や考え方が紹介されていま
す。

 システム思考の具体的で身近な活用法として「フィードバック」が紹介され
ています。自分の行動がどうつながったのか、生み出した結果をありのまま都
度振り返る機会を作ることが、物事の全体像をつかむ第一歩のようです。

 変化に惑わされず、物事の本質をつかむ。新年に読んでおきたい一冊です。