【本のご紹介 vo.122】『「経験学習」ケーススタディ』

『「経験学習」ケーススタディ』
松尾 睦(著)/ダイヤモンド社

 ある調査によると、人の成長を決定する要因は仕事経験を通した学びが7割
を占め、他者からの学びが2割、読書・研修からの学びが1割とのこと。

 しかし、人はただ経験しただけで成長するのではなく「経験から学ぶ力」を
身につける必要があり、「経験する⇒振り返る⇒教訓を引き出す⇒新しい状況
へ応用する」という経験学習のサイクルをいかに回すかが重要だといいます。

 本書は、経験学習の原理原則をまとめられた『「経験学習」入門』(2011年
出版)の続編として出版されたものです。

 本書では『「経験学習」入門』から、経験学習についての基本的な考え方を
紹介したうえで、具体的に企業でどのように経験学習が導入されているのか、
どのようにして経験学習を取り入れたらいいのか、方法論や仕組みについて9
つの企業の事例を取り上げて解説されています。

 本書の面白いところは、先行事例の企業を紹介した後、その先行事例を取り
入れようと奮闘する企業の事例を紹介しているところ。

 自社の状況に合わせた経験学習サイクルを試行錯誤しながらデザインしてい
く様子が非常にリアルで、これから取り組もうとするときの参考にもなります。

 各企業の事例を見ると、定期的な個人面談の導入など多くの企業でも取り入
れられているようなベーシックな取り組みが主です。

 取り組み自体を一旦取り入れることは簡単かもしれませんが、いかに形骸化
させず、組織の中で定着させて、効果へと結びつけていく仕組みづくりができ
るかどうかがポイントだということが事例からわかります。

 組織活性化、新入社員の育成、新人と中堅・マネジャーが共に育つ「共育」
関係づくりといったキーワードが気になる方にはおすすめの一冊です。