【本のご紹介 vo.127】『女性活躍の教科書 明日からできる「輝く会社の人材戦略」』

『女性活躍の教科書 明日からできる「輝く会社の人材戦略」』
 麓 幸子、日経BPヒット総合研究所(編)/日経BP社

 男女雇用機会均等法が施行されて30年となった今年。4月から「女性活躍推進
法」も施行となり、女性の活躍に真剣に取り組むことを企業も求められるよう
になりました。

 法律が整備される一方で、「女性の活躍」とはどういうことなのか、なぜ推進
するのか、そもそもの認識が曖昧なまま施策を進めてしまい、効果が出なかった
り、組織での新たな問題へと発展してしまうというケースも出てきているようで
す。
 
 女性の活躍の推進は、「女性のため」にするのではなく、企業価値向上のため
に、企業の持続的成長のためにあることを理解すべきだと本書では述べられてい
ます。

 本書では、まず女性活躍推進法についての解説と、先進企業の事例から見えて
きた女性活躍推進のポイントの紹介から始まり、20社の女性活躍推進を進める
企業の具体的な人事施策の紹介、女性活躍がどのように企業価値向上につながる
のかという理論とデータの提示と続きます。

 女性の活躍といえば両立支援や職域限定といった、女性のために負担を減らす
ことに考えがいきがちですが、そこだけ手厚くすることについては男性側の「優
しさの勘違い」であると指摘しています。

 「女性とはこういうもの」という無意識のバイアスが働いて、その結果として
女性のキャリアを停滞させたり、他の社員へ負担を強いて新たな組織の問題に生
むことにつながるケースもあるとのこと。

 7割以上の企業で、育児期の女性だけでなく、介護や様々な事情で働く上での
時間的な制約が生じている社員が増えていると回答している調査結果も報告され
ています。女性活躍の推進を考えることをきっかけに、男性も含めたすべての社
員の働き方を改革していくことが、結果的に女性の活躍につながると言えます。

 女性活躍のみならず、これからの働き方や組織の在り方を見直すきっかけにな
る一冊です。