【本のご紹介 vo.128】『会社の中はジレンマだらけ』

『会社の中はジレンマだらけ』
 本間 浩輔 中原 淳(著)/光文社新書

 「絶対に結果を出さなくてはならないハードな案件。
  自分自身でこなす?それとも思い切って部下に任せる?」

 「チーム内にくすぶり始めた時短社員への不満。
  ほかのメンバーを説得する?それとも時短社員に働き方を変えてもらう?」

 「仕事をしない“年上の部下”がいます。
  言いたいことを伝える?それともやり過ごす?」…etc

 どちらを選択しても一長一短があるような事でも、どちらにするか決断しなけ
ればならないという“ジレンマ”が企業・組織では日々生じています。

 では、どのように決断していけばいいのか。本書ではジレンマに直面したとき
の対処の流れ(ジレンマ・マネージング・モデル)が紹介されています。

 いきなり動きだすのではなく、まずは①ジレンマを観察する②ジレンマを理解
する③決断する④リフレクションする(振り返る)という対処のサイクルを回し
ていくことでマネジャーとしての成長につながるといいます。

 本書では、5つの章にわけてジレンマの事例を取り上げ、企業組織の実務家の
視点と人材開発の研究者の視点でどう考えるか、対談形式で議論が進んでいきま
す。その過程を読み進めるなかで、それぞれのジレンマについてどう決断してい
くか読み手自身が紙上の決断経験を繰り返し、コツをつかんでいく流れとなって
います。

 特に印象的だったのは「フィードバック」について、ロケット打ち上げの例を
取り上げられたところです。実はロケットはまっすぐ飛んでいるのではなく、様
々な理由でジグザグに飛んでいるが、その傾きを検知してエンジンの吹き出し口
を調整しているのがフィードバック機構だといいます。とても分かりやすくフィ
ードバックの役割を再認識させられました。

 ジレンマに立ち向かう勇気が持てる、心強い味方になってくれそうな一冊です。