【本のご紹介 vo.129】『なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』

『なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』
 加藤 洋平(著)/日本能率協会マネジメントセンター

 ・なぜ人と組織はなかなか変われないのでしょうか
 ・どうしたら人と組織は変わっていくのでしょうか
 ・人はどのように成長し、どうしたらより成長できるのでしょうか

 上記のような課題を解決するカギとして、本書では発達心理学の一分野である
「成人発達理論」が紹介されています。

 成人発達理論を理解するうえでわかりやすく「レンズ」に例えて説明されてい
ます。
・人はそれぞれ固有のレンズを通して物事を「意味づけ」している
・そのレンズには見え方の「レベル」があり、そのレベルはその人の意識の発達
 段階によって違う
・自分の持つレンズ以上の意識段階は理解できない
 
 部下とのコミュニケーションを良好にしたいという場合、その部下がどの段階
のレンズで物事を見ているのかを理解していないと、よかれと思ったアドバイス
が部下には理解できず、一方的なコミュニケーションになってしまい関係が悪化
してしまう恐れもあります。

 本書では、ある会社の課長が、成人発達理論を取り入れた人財育成コンサルタ
ントが偶然出会うところから物語がスタートします。セッションを通じて、課長
が成人発達理論を自組織に取り入れ、部下の成長が課長自身を成長させていく過
程が描かれています。

「知識やスキル向上だけではなく人としての成長が必要だ」
「そのためには個々に合ったコミュニケーションを取ることが育成には必要だ」
 頭では分かってはいても、実際に取り組むことは容易なことではありません。

 人はどのように成長・発達していくのか。まずはその基本となる発達理論を理
解することは、人や組織の抱える様々な課題を乗り越えていくうえでの一つの支
えとなるような気がしました。